大隅線跡/11 新城駅跡

Category:廃線・未成線 コメント(2)

古江駅から先、海潟(海潟温泉)駅へは昭和36年に延伸開業されました。
ということで、昔の技術では海岸線に沿って、クネクネと敷設されていたであろう所は、高架橋やトンネル・盛土で貫いていたようです。海岸線に沿っているのは沿っているんですが、少し内陸側に敷設されていたこともあり、比較的多く遺構が残っていました。

●古江駅跡〜新城駅跡

古江駅跡から先は高度を上げていたようで、防潮堤?と一体となった橋台跡が残っていました。

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この川を渡り、国道と住宅を跨ぎ、下の写真の高架橋へ繋がっていたようです。

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このスパッと切れた高架橋の断面を見ると、各地の未成線の遺構を思い浮かべてしまいます。
道路と平行する部分では高い位置を通る線路跡とコンクリート橋跡がよく見えます。

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線路跡は内陸部を通り、再び国道を渡ります。そこに橋台跡が跡が残っていました。

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昔の空中写真と現在の地図を見て作成したメモを元に新城駅跡へ向かっていましたが、途中で迷ってしまいました(汗) 車のナビと携帯google mapと直感を頼りに辺りをグルグル。とりあえず線路跡は見つけましたが、新城駅跡だと思って探索した所は全然違っていました(汗) ちょっとタイムロス・・・。それが↓の写真付近。

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気を取り直して、そこから線路跡の道を進んでいくと、目の前にトンネルが見えてきました。
対向車が来たら一発アウトなんですが、出口も見えてて比較的短いので安心。この辺で車で通過可能な廃線トンネルといえば、宮原線跡の信号が設置されてるトンネルや呼子線のトンネルなんかがありますね。筑豊地区では車で通行可能な廃線トンネルが無い(トンネル自体少ない)ので、短いけどワクワクしますね。

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銘板が残っていました。御仮屋ずい道(御板屋ずい道?)
まだ鉄建公団が発足する前なので、下工の設計で昭和32年に竣工しています。
トンネルを抜けるとすぐ新城駅跡の公園に出てきました。

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●新城駅跡

↓駅跡の公園からトンネルを見たところ。桜がとても綺麗でした。

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海側の公園入口。古い擬木標識柱に「新城鉄道記念公園」と掘られていました。

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園内には廃止時の物かどうかは分かりませんが、レールと短いホームが残されていました。

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ホーム上には駅名標を模した擬木案内板があります。板面がちょっと残念!?
どうせなら本物のような表記にすればよかったのに・・・。

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山側にも公園名を記した標識柱がありました。そばには公園の由来を記した案内板もあります。

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圃場整備を行なっていた影響で都市公園として位置づけてなく、
公園化工事完成から公式な設置年までブランクがあったようです。

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ここから一旦、国道に戻って、道路沿いの緑地帯の東屋で一休み。海の向こうに見える山々の奥に鋭く尖った開聞岳が見えてて、ちょっと感動。

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コメント(2)

>塩菜さん
こちらこそ、はじめまして。コメント有難うございます。
大隅線が廃止されて20年以上経過していますから、地元の方でもリアルに知らない世代が居るかと思います。大隅線に限ったことではありませんが・・。
特に大隅線は、古江駅〜海潟駅(海潟温泉駅)は開通後26年、海潟温泉駅〜国分駅間に於ては開通後たった15年で廃止された短命な路線でしたから、印象に残っていない方も多いと思います。鹿児島市内へは垂水からの航路が確立されていたでしょうし、海潟温泉以北の路線は不採算路線となることは目に見えていたと思うんですが、結局は鉄道建設公団によって建設されました。もう少し着工が遅れていたら、工事凍結になっていたかもしれませんね。
今回、大隅線は初めて探索しました。福岡県民なのでなかなか行ける所じゃなく、諸般の事情で隅々まで探索することが出来ませんでした。今回掲載している遺構以外にも多くの遺構が眠っています。ぜひ、探索してみて下さい。そして、地元にこんな鉄道があったという事実を知り、その歴史を紐解いていくと、もっと地元が好きになるかもしれません。
稚拙な記事内容でお恥ずかしい限りですが、鉄路の歴史を知る糸口になれば幸いです。

はじめまして!
一連の大隅線の記録を拝見させていだきました。とても感動しました。
わたしは地元に住んでおりまして、大隅線の廃止は子供の頃だったので、ほとんど事情も知らずに、時々線路の通っていた痕跡を探したりしています。特に記録をとるでもなく漫然と見ていたのですが、ここまでの熱意をもって精緻な調査をされている方がいる事に驚き、また地元民として嬉しく思います。
またこちらの記事を参考に、色々探してみたいと思います。長文失礼いたしました。

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