廃止直後はチラ見する程度で本格探索はしてませんでした。一昨年ぐらいから部分的に何度か探索するようになり、今回は初めて廃止区間全てをトレースしてきました。
折尾駅跡からスタートです。私の頭の中にある折尾駅は「西鉄電車」と縦書き看板のあった再開発前の姿しか残っていません。実際、頻繁に利用してたのはその時期でしたので。新しくなってからは、一時的に福岡を離れたこともあり、よく知らないのであまり好きではありません。
大昔は3番のりばまであったの知ってました?その名残が筑豊本線の短絡線に架かっていた橋梁にありました。今は無いけどね。
かつての通路は封鎖されており、駅跡に入ることは出来ません。ビル内の別通路からホームがある階に行くことは出来ますが、中には入れません。シャッターの隙間から手を伸ばして撮影したこの画像が精一杯です。
ビルの1階には西鉄電車の名が残るお断り看板があります。
バスやタクシーが頻繁に行き来する駅前から少し裏路地に入ると、西鉄折尾のシンボルである煉瓦アーチの高架橋が静かにたたずんでいます。なんか、いいよねぇ〜。この雰囲気。
アーチ高架橋とビルとの境界。
落書きが痛々しい・・・
貴重な煉瓦遺構なのに残念です。
高架橋とビルは完全に密着していません。上部はホーム部分でしょう。大正初期と昭和後期の狭間って感じですね。
折尾は1914/大正3年に開通しました。開通当時はその存在感に住民は圧倒されたのではないでしょうか。この重厚感。素晴らしいですね。JR折尾駅舎が完成したのが1916/大正5年ですから、こちらの方が2年先輩になりますね。どちらも貴重なモノですよ。
短絡線から見た折尾駅。外側も封鎖されて下からは見ることが出来ません。ここに架かっていた橋梁は短絡線電化の際に撤去されました。
こちらは折尾東口側。
こちらも見事なアーチ高架橋です。一番奥のアーチは非常に珍しい「ねじりまんぽ」の構造になっています。
ねじりまんぽの部分。
道路がアーチに対して斜めになっているのがわかりますね。
アーチ・線路方向に対して下を通る道が斜めになっている場合、通常のアーチのように水平に積み上げるより、角度を付けてねじるように積み上げていった方がアーチを迫り持たせる力を伝達しやすい。そのためにこの技法が用いられるようです。交差角によって角度も変わってきます。この辺では日田彦山線で見ることが出来ます。もしここへ来ることがあるならば、アーチ下から天井部分を見てみましょう。車に注意してね。