高千穂新線(高森〜高千穂/未成線)には、熊本県高森町の高森トンネルの他に、宮崎県高千穂町にも遺構があります。高千穂町内の工事着工部分のほとんどで撤去作業が終えているなか、ここは「夢見路公園」という名前で、きれいに整備されており、夢に終ってしまった鉄道敷設を今に伝えています。
場所的には、高千穂駅〜上野(かみの)駅予定地間にある、高森側の第1坂の下トンネル、高千穂側の葛原トンネルに挟まれた区間に、盛土と第1坂の下橋りょうが残されており、そこを公園に再利用しています。
公園内には「C58 115」の動輪とナンバープレートがモニュメントとして飾ってあります。夕方の傾いた太陽に反射して眩しかった。
公園の終端、高千穂側には「九州横断鉄道建設の経緯」の案内板があり、その横には車止標識が立っていました。憎い演出ですね。その背後、草むらの向うには「葛原トンネル」が見えています。「九州横断鉄道建設の経緯」は内容的には高森トンネルと同じですが、高千穂町内の内容として以下の記述があります。
平成7年9月、高千穂町「高千穂線残地活用」整備検討委員会 条例設置。平成7年12月
第1回「高千穂線残地活用」整備検討委員会(5回開催)。平成9年2月、構造物撤去後一括して土地の引取りを決定。延長9.4km 面積4.8ha 橋梁17ヶ所 トンネル5ヶ所。
こちらは公園の高森側の終端、第1坂の下トンネル(125m)。入口には金網が張られて、中に入ることはできない。
このトンネル入口の側面には取り壊されたトンネル・橋梁の銘板が並べられている。
車止標識の向うに葛原トンネル(1,115m)の入口が見えています。以前、ニュースと新聞で、この高千穂新線のトンネルを酒の貯蔵庫として利用している模様を見たことがあるのだけど、どこだったんだろう。(←雲海酒造・神楽酒造でした)