筑豊周辺には隣接する炭鉱への運炭路線として盲腸貨物線がいくつも延びていました。明治24年、筑豊興業鉄道によって開業した若松駅〜直方駅が根幹となって、直方駅から南に向かって、田川方面・嘉飯山方面へ炭鉱がある所を目指して、どんどん延びていきました。枝分かれした線路は、延びていった線路同士、異なる会社同士でが繋がったりして筑豊地域に密集した一大鉄道ネットワークが形成されていきます。筑豊本線の線籍を持った区間だけでも相当な数がありました。一部は他線区(漆生線・後藤寺線など)に継承されたりしました。貨物支線のほとんどが昭和初期に廃止、隣接駅に併合されています。
支線一覧は下段をご覧下さい。
鞍手駅を降りて左斜め方向を見るとガソリンスタンドがある交差点が見えるはず。そこの交差点へ向って、田んぼの中をカーブを描きながら横切っている畑やビニールハウスの骨組みがある。そこが線路跡・・・
筑豊本線筑前植木の南側の立体交差より、直方方向をみたところ。本線は左カーブして犬鳴川を越え、新入駅へ向う。その横に支線があったという。右側に写っている道路の左横、杭で囲まれているところ・・・
桂川駅から延びる路盤跡の位置関係はこんな感じ。桂川駅の裏手になります。路盤上にはレールやバラストなどは無いようでした。写真の右側が桂川駅方。上の場所から少し進むと、路盤・・・
用事があってこちらに来たので、ついでに探索してきました。列車からはよく見てたんですが、現地に立つのは久しぶりです。この写真は以前撮った場所とだいたい同じ位置。桂川駅へ続く緩やかな・・・
中間駅〜中鶴駅跡
貴WEBを閲覧している時、ふと思い出した事があります。本当に遠い四半世紀以上の話になりますが、小生が小学校3年生の時・・・
■中間〜大辻/ 明治42年1月1年開業。0.4km。明治44年9月1日廃止。
古過ぎてよくわからない・・・。
■中間〜中鶴/大正12年6月1年開業。0.9km。昭和27年8月1日廃止。
線路跡は道路になっているが、小さな川に架かる道路橋の下に煉瓦橋台が残っている。
■小牧信号場〜筑前中山
現在の筑豊本線鞍手駅の少し北にあった小牧信号場より西へ延び、筑前中山駅へ続いていた2.3kmの貨物線。筑前中山駅の開設は大正8年3月25日。この支線は昭和41年4月30日まで生き残っていた。線路跡は鞍手駅西のカーブ部分を除き、殆ど道路になっているので跡形も無い。中山市街地まで一直線に延びた道路は、まさに線路道そのものである。
■筑前植木〜新入第三第四
明治42年1月1日に筑前植木〜新入第四〜新入第三が開通した。明治43年5月1日に廃止されて、新入第三第四が開業していることから統合されたものと思われる。筑前植木からの距離は0.9km。昭和3年4月19日限りで廃止されている。
■小竹〜新多/大正2年7月1日開業。2.3km。昭和44年9月30日限り廃止。
小竹駅構内の北側から、西へカーブした線路跡がある。近年、筑豊本線電化に伴い、駅の改築、駐車場整備が行われ、カーブした線路跡もごく一部しか残っていない。路盤の先はコンクリート工場に飲まれたのち、途中から線路跡の道路になっていたが、工場を分断する形で道路がが新設された。古地図の線路位置とほぼ同じであることから、この道路が線路跡と思われる。
■小竹〜塩頭/明治32年6月2日、九州鉄道時代に開業している。2.3km。昭和20年6月9日限り廃止。
跡と思える物はなにもない。古地図上の線路とほぼ重なる道を進んで行くと、塩頭という名前の交差点がある。その道が線路跡か?筑豊本線の新多口踏切に、この線のものと思われる煉瓦橋台が残っている。
■鯰田〜鯰田炭坑/明治42年1月1日開業。0.8km。昭和20年6月10日より鯰田駅に併合。
線路跡はわからなくなっている。私の記憶では車窓から見る限り、2ヶ所、単線の煉瓦橋台が残っていた。1つは椎ノ木川に残っていた(昭和50年代まで)。もう1つは筑豊本線下り線と太陽光発電所の間に残っている。
■飯塚〜忠隈/明治42年1月1日開業。0.6km。昭和20年6月10日より飯塚駅に併合。
飯塚駅の天道寄りにある城崎踏切に本線と別に支線の踏切跡があった。しばらくレールは残っていたが、その後撤去され、忠隈へ続いていた線路跡は駐車場になった。踏切横の川には橋台跡が残る。
■新平恒(後の上山田線・平恒)〜平恒/明治35年3月29年、九州鉄道により開業。0.7km。昭和14年5月28日限り廃止。
現在は道路と私有地になっているため全くわからない。
■長尾(後の桂川)〜豆田/明治42年1月1年開業。0.5km。昭和20年6月10日より桂川駅に併合。
桂川駅から南西へカーブした盛土が一部残っている。工マークの用地杭が数本残っている。