中央に見えるのは日本セメントの工場。そこから香春駅の北側へ専用線が延びているのがわかります。添田線は日田彦山線との重複単線区間を走り、今の一本松駅の先あたりで分岐していました。
鉄道密集地帯だった筑豊らしい光景。現在、平成筑豊鉄道田川線と添田線との立体交差部分には橋台が、取り残された盛土部分にはレールが残っています。上伊田駅跡から、画面左右に通る道路とのクロス部分はT字路になっています。
駅前から真っすぐ延びていた道路は、かつて石炭運搬に使われていたようです。現在の駅跡は道路と緑地帯になっていますが、駅前に立ってみると、小さな駅前通りではありますが、ここに駅があったんだなという雰囲気を感じます。
駅の東側(写真上)には油須原線の盛土から続いてる用地が確認出来ます。ジャンクション駅になる予定だったので、用地拡張が必要だったのでしょう。もし油須原線が開業して、本来の目的である上山田方面からの石炭列車がこの駅を通過する時は、駅の南端(写真右)で添田線を横断し、駅の外側の拡張用地部分を通っていたのかもしれません。結局、石炭産業斜陽で目的も変わり、繋がるはずだった添田線も廃止され夢物語となりました。駅跡は道路、交通公園になっています。
添田線と油須原線の位置関係はこんな感じです。添田線跡・油須原線油須原側は道路に、大任駅跡は交通公園に、油須原線彦山川橋りょうは高欄が撤去されてますが現存、福田側の盛土は撤去されて道路になっています。油須原線の大任駅付近から彦山川橋りょうの間は駐車場と遊歩道に整備されています。
駅舎周りの空き地が目立ちます。側線の跡でしょうか? 鉄道用地は広かったようで、添田側にある煉瓦アーチ橋は複線以上の幅員があります。また、小倉鉄道時代の杭が残っている所もあります。現在、駅跡は道路と住宅地になってます。
駅舎が添田線ホームのそばにあり、日田彦山線のホームは少し離れているのがわかりますね。この駅は添田線の前身「小倉鉄道」の終着駅「上添田」(その後「彦山口」と改称)として開業しました。それから、第二次大戦中に省線(国有)田川線添田駅(現・日田彦山線西添田/延伸時に改称)が、この駅を通って彦山まで延伸した際に「添田」と改称されました。小倉鉄道の添田駅に省線添田駅が同居する形が約8ヶ月続いた後、小倉鉄道は国有化され「添田線」を名乗るようになりました。その後も線名改称・区間変更がありましたが割愛します。このような経緯があるため独特なホームの配置になっています。現在の駅は跨線橋は撤去され、駅舎とホームは長い通路で繋がっています。
かつては、写真右下にあった峰地一坑への引込線がありました。