20.長い一日の終り

Category:たびぼうろぐ 2010.10 コメント(4)

話も一段落したところで寝台に戻る。ベッドに寝転がり、荷物の整理と寝床を整えて寝る準備に取り掛かる。大津を過ぎた辺りで「おやすみ放送」が流れる。次の放送は直江津到着前のようだ。程なく車内の明かりが減光されて、おやすみモードになりました。寝台で忘れちゃいけないのが「工」マークのパターン柄の浴衣。

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これを着なきゃ寝台に乗った気分がしませんね!早速、着るために着替えタイム。写真は既に着替えたあとですが、着るまでが大変・・・。寝転がったままの状態でジーンズを脱ごうと脚をあげると、中段ベッドの底に「ゴンッ!」こりゃいかん(汗)と思って、上半身を起こそうとするも中段に「ゴツッ!」また寝転がって腰を少しずつ浮かせ、どうにかジーンズ脱ぎ完了。 今度は上着を脱ごうと腕を伸ばすと中段に「ゴンッ!」曲げた肘が窓に「ゴンッ!」これが3段寝台の洗礼か!服を脱ぐだけでも一苦労だわ。
下段の幅は1,020mmだから、まだ動ける余裕があるけど、中段・上段・客車3段の場合は700mmと、まだ幅が狭いから大変だっただろうなぁ・・。20系なんか520mmだもんねぇ。高さを考えるならば「パン下中段」を狙えば良かったんでしょうけど。
鉄な方には不要ですが(笑) なんじゃ?「パン下中段」って思う方にざっくりした解説をすると・・・

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電車は屋根にあるパンタグラフで架線から電気を通して動きますよね。583系の場合、3段寝台スペース確保のために限界ギリギリまで車体を大きくしています。しかし、パンタグラフ設置部分はどうしても屋根を低くしなきゃいけない。そのためにそこだけは2段寝台になっています。他の寝台よりも上段が無い分、ベッドからパンタグラフ下の天井までの高さがあるため比較的快適に乗車できるようです。パンタグラフの下の中段寝台=「パン下中段」ということです。

しかし、パン下中段も普通の中段も上段も小窓しかないんです。夜は真っ暗で車窓はイマイチですが、早朝は日本海を車窓から眺めれそうだし、ここはやはり、大きな窓を占有出来る上に、幅も広い下段にしました。中段ベッドの構造が一部斜めになっているので、このように窓を完全に占有できます。

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ギリギリ頭が入るぐらいのスペースしかありませんけど・・。窓は元々、ベネシャインブランインドを挟んだ二重構造でした。今はブラインドは撤去されてカーテンが付けられていました。ブラインドをコントロールしていたハンドル跡も残っています。

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窓の前には昔は当たり前のようにあった小テーブル。

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その下には懐かしい「栓抜き」と「JNR型灰皿(マークは無し)」ここだけ見ると完全に国鉄時代に戻った気分になりますね。

さて、まぁ、どうにかこうにか浴衣に着替えることが出来ました。暖房が入っているせいか、洗礼で熱せられた身体の熱で窓ガラスが一気に曇っていた(汗) 通路との仕切りカーテンを少し開けると涼しい風が流れてくる。

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デッキと客室の仕切りドアを閉めていかない客が多いようだ。以前、熊本出身の方に教わりましたが、こうならないよう注意を促す際に「あとぜき」って言葉があるそうです。入る(出る)ために扉を開けたら必ず閉めましょう・開放厳禁!といった意味。福岡では聞いたことが無い言葉ですね。
ベッドから脚を伸ばしてスリッパを履き、寝る前の一服(減煙中では・・?)と歯磨きと顔を洗いに移動。しっかりと「あとぜき」してデッキへ。洗面台はブルトレのような国鉄時代を思わせる古めかしいものを想像していたら、意外と?小奇麗で明るい洗面台だったのでビックリしました。

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気が付いたら米原に着いてた。しかし、なかなか発車する様子じゃない。時計を見ると1時を過ぎてて大幅に遅れている。やっぱり、朝霧駅踏切の無謀横断による遅れが全体的に響いてるんだな。こっちは新潟入りが多少遅れても何とかなるけど、近場の利用客にとってはホント迷惑やね。誰も居ないホームをボーッと眺めていると、隣のホームに米原止まりの快速が入線してきた。もしかして接続待ちしてたのかな? そう思ってカーテンを閉めたのまでは覚えてる。そこから記憶が無い。どうやら寝てしまったようだ。ひたすら乗り続けた長い1日目が終わった。

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コメント(4)

>倫堕さん
あの苦労は乗ってみないとわからないですねぇ。想像以上でした(汗)
昔の人はよく耐えてたなと・・。
パン下は魅力的なんですが、幅は変わらないんですよね。
だから、次回乗る事があったとしても下段を取るでしょう(笑)
サイバーステーションで他の日の予約状況も見てたんですが、どの日も概ね空いてるんですが、
乗車日近くになってもBは空いてるのにAは埋まってる日があったりしました。
寝台数の違いはあれど、リッチな客が居るもんだなぁと思ったものです。
おやすみ放送>出発が23時台ですからねぇ(汗)

>きらら鉄道部長さん
20系の3段寝台はキツそうですねぇ。
最悪、はしごがあるスペースで着替えは可能ですが、583系の場合は通路に出ないといけませんからねぇ(汗)
大昔、夜行鈍行「山陰」の10系寝台乗車(20系と同じスペック?)レポを読んだ事がありますが、
夜が明けても解体しないままで、中段に頭を付きそうになりながら、
腰をずらして座席に座ってる写真があり、こんな状態で乗るのは絶対イヤだと思いました。
しかし、今となっては体験してみたかったな・・という気持ちもあります。

あっ!
林堕さんではなく、倫堕さんでした。
失礼しましたm(_ _)m

たしか、サンライズの個室も特定番号は広々してますよね。

三段式寝台は現役車で体験したことはないです。
某ホテルで20系寝台車に泊まれるところがあるのですが、そこの車内が三段式のままだったので、揺れることはないものの、頭ぶつけました(笑)
その後に富士はやぶさの二段式B寝台に乗ったので、とても広く感じました。

林堕さん
富士はやぶさのA寝台に大枚はたいて乗ったことありますが、料金が高い・・・それで、あの設備(爆)

お着替え(笑)お疲れ様でした!
半年前に同じような経験をしたので、よ~くわかります。

パン下の存在を知らなかったのですが、昭和58年春、旅行先から延岡の高校のオリエンに向かう「彗星」で、偶然出くわして、なんて過ごしやすいんだと感激しました。
確かに小窓ですね。「きたぐに」もそう長くはないでしょうから(私の年齢と変わらない車両もあるとか?)最後に大枚はたいて、A寝台下段で「楽しい583系」にチャレンジしてみようか・・・・・しかし高い。

テーブル、灰皿、栓抜き。
説明不要の国鉄アイテムですね。

「おやすみ放送」遅い時間だけど、理にかなってると思います。
ブルトレの21時のおやすみ放送、そりゃないだろ!でした。

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